2008/12/17

本。

BRUTUSを購入。
マガジンハウスの底力を感じる。
今回の特集は「本。
しかも文芸ではなく「自分の生き方を持ち、それを貫いた人の人生を伝える本150冊」というもの。
本のガイドというよりも面白い人のガイドという感じ。
また、その選び方がなんともツボ。じょうずにマーケティングしていると感心する。
白州次郎は酒井順子、白州正子は辛酸なめ子というエッセイはやらしいくらいだ。


さても、一番おどろいて、あっとなったのが、
「2009年のキーパーソン30人を知る本ガイド」という特別付録の
C・レヴィ=ストロースの冒頭の「レヴィ=ストロースは生きている」という一文。
なんと、件の社会人類学者は齢100歳にして世界最高齢の思想家とのこと。
長生き!なんて素晴らしいことなんだろう!
ぼやぼやしないで『悲しき熱帯』を読まねば!


知りたいことがたくさんありすぎで結局つまみ食いに留まってしまい、なんとも中途半端なのはわかっている。
でも、拡散する興味を収束するには読み進めるしかない。

さて、読書読書。

今は河合隼雄先生と中沢新一先生の『ブッタの夢』を読み返しています。
久しぶりに読んだら新しい発見がポロポロと。
世界の見え方なんてどんどん変わっていくのだから一度読んだからもういいやとか、
古いメモがあるからいいやなんてことはそう簡単に言えないのだと痛感。
そして、本を読むということは、人と向き合うことといっしょで最終的には自分と向き合うことなのだとも。

2008/12/13

おだやかな暮らし

父が体調を崩し、ちょっぴり入院を。
今はもうすっかり元気なんだけれど、そのちいさな出来事はわたしにとっておおきな変化をもたらした。
家族との関係のあり方を嫌でも考えることになったし、自分で気がついていない思いも浮上した。

そして、ドタバタした中で訪れたわたしの誕生日。
病室から父がお祝いのメールをくれたときに、
お父さんの子どもでよかった!
という返信を送ることができたのは自分でもうれしかった。

時間の流れはどんどんリアルに、シビアになってきている。
もう、ぼやぼやしている場合ではないよ、と。
そして、その先にあるのは大きくて重い「責任」という二文字なんだよ、とひしひしとわかってきている。
でも、それこそが楽しみだし、面白味だとも思う。
勇気持たなきゃ。


そうそう、ギリギリのタイミングでシュトーレンを購入。
うすーく切って大事に大事に食べています。
フルーツたっぷりで豪華なんだけど地味な味。
日々の食卓もそうゆうのがいいなぁと思っていたら、
プレゼントに良い調味料や良いお鍋をいただく。
そうそう、高級なお肉とかじゃなくて、
ささやかな良いものが集まって結果的に豪華なんだけどなんか地味。
そうゆうおだやかさがいい。

2008/11/27

彼女について

よしもとばななさんの『彼女について』という小説がすごすぎてしばらくそのことばっかり考えている。
終わりにさしかかるまで淡々と話は進んでいき、とても読みやすい文章なのにすごくエネルギーを消耗するので、
読了後すぐはこてんと眠ってしまった。

主人公の境遇がとっても辛いのだけれど、言い換えれば人間のおそろしさというものをズバリ描いているなぁと思った。
そして、その主人公がとっても幸せそうに愛する人と別れるさまにはゆるぎない「癒し」を感じた。

日々の生活が美しく見えるのは、自分の状態が美しいから。
わたしたちの豊かさはポジティブなイメージに支えられているのだという内容にもぐっときた。

そして、小説を読み終わった後、友人とひさしぶりの再会。
まめに連絡を取り合うようなことはしないけれど、いつもなんとなく気にかかっていて、
大げさだけど絶対に味方だし、信じている友人だ。
しんどい思いをたくさんしながらも強く振る舞ってきた彼女がひとつの決断によってとっても穏やかに幸せそうにしていた。

そのことがとっても嬉しくて、奇跡のようにきれいだと思った

わたしも、ものすごく辛い思をしたわけではないけれど、しばらくぼんやりと体調が悪いときがあった。
朝、起きるのがとっても辛くていくらでも眠れるようだったし、別の心配事があって病院で検査もした。
「ぼんやりと」というのがミソで、結局のところは疑問を抱きながらも続けていた自分の行為に対するアラームだったように思う。
幸せそうな友人をみて自分の今にもなんだかとってもほっとした。

そんなふうに感じることができたのも小説のおかげもあると思う。
良い作品に出会えたことを感謝したい。


追記:よしもとばななさんが原田郁子さんの新しいアルバムにあてた文章もとってもすばらしかったので、是非一読を。
クラムボンのオフィシャルサイトから読めます。
原田郁子さんは最近よく聴いていたのでそのつながりにも驚きました。

2008/11/22

ひつじ日和

カフェという文化には縁がない生活をしていたのですが、このたびお気に入りのカフェができました!

知り合いのひとが常連さんというのもあったのだけれど、いちばん最初に店主の方とお話をしたのは、
お店に置いてあったDMの中に「ANODATTE」というパン屋さんのものがあったので
「今朝の朝食はANODATTEのパンでした」というおしゃべりから始まりました。
(浜松ではANODATTEの話をすれば絶対盛り上がるのでは?というほどにわたしの周辺では
ファンの多いパン屋さんです。
最近のヒットはジンジャークッキー。しょうが好きにはたまらないお味です。)
にこにことパンのおいしさをいっしょに話してくれた店主の上原さん。
とっても優しく、親しみやすく、ちょっぴりイタズラっぽいところが素敵なお兄さんです。
(でも、もうこんなことはとてもじゃないけど本人には言えないけれど!)

さて、そのカフェとは「読書空間 ひつじ日和」です。
読書空間という名の下に、様々な本と絵本と雑誌が置いてあって、 美味しい飲み物とワッフルなどの軽食と読書を楽しめます。
ついつい長居してしまいます。
上原さんの仕事はとっても上品で丁寧。
席に着いたらまず、煎茶とガーゼ生地のおしぼりを出してくれます。
そうゆう、ぴしっとした姿勢のよさからあの温かな居心地の良さがうまれているのだと思う。

ちいさなお店なのでひみつにしておきたいくらいですが、みんなにあの心地よさを味わってもらいたい。
もちろん置いてある本のセンスの良さもばっちりです。

2008/11/17

風景ルルル

静岡県立美術館のちょっぴり変わったタイトルの展覧会に行ってきました。
現代アートの展覧会なのですが、学芸員さんの意識の高さが伺える展覧会でした。

照屋勇賢さんのDessert projectという作品に感動。
地球をゼリーとスポンジ・ケーキとガムと砂糖で造形したもの、と言ったらそれまでなんだけれど、ものすごく多くのメッセージが込められていた。
メッセージ、というより問いなのかもしれない。
地球がとっても甘いデザートなのだとしたら夢のよう。
でも、そもそも地球がデザートなのだとしたらメインはどこなのだろうか?
デザートを平らげた後に待っているものは何なのだろうか?
あまくポップな見た目が裏腹なシニカルな視点に裏打ちされているというのが自分の好みのよう。

解説にあるように「断片的で、どことなく軽く、ゆるい」作品たちはじんわりと響いてきて、なんだか自分自身のこれからのことなどをぐるぐると考えてしまった。
美術館に行くということは、普段の生活ではなかなか触れることのできない情報に触れるということ。
影響力はとても大きい。
でも、それで落ち込んだりせずにポジティブにならねばと奮起。


美術館でみた山の景色のうつくしさも記憶にメモメモ。
景色がきちんとうつくしく映る日常に感謝!

Profile.

浜松在住。 社会とこども、人と人をつなぐものとしてのメディアに興味があります。